あの絵を肴に

美術館愛をお酒を片手に語っております

猫…いいですよね

今、とても福々しい気持ち。

猪熊弦一郎展 猫たち」展(Bunkamuraミュージアム)の話です。

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私は猫飼ってたので、だいぶ猫好きなフィルターを通して観たことは予めご承知おきください。

のっけから、猫がすき!な感じです。

猫の絵だ、じゃなくて、猫がすき!!!

なのです。

猫好きの人たちの心は間違いなく入口からそれを感じとって呼応し、震えっぱなしなのであります。

 

猪熊さんは1ダースもの猫を飼われていたそうな。

中にはシャム猫の血が混じった雑種もいたらしく、確か同じく猫好きな大佛次郎さん(だったと思う)が、こういう猫は柄が薄汚くツギハギだらけの模様は雑巾のようで貰い手がない、と里親を諦めていたのを、猪熊さんはそれが面白いともらっていったとキャプションにあって、うちの猫もシャムの雑種だったんですよ!うちもボロ雑巾ちゃんって呼んでたんですよ!そこがとてつもなく可愛かったんですよ!!と一人でこっそり興奮共感してました。

猫好きならば、よくぞここまで猫好きの真髄を表現してくれた、天晴れですよ、猪熊さん!と唸ること間違いナシ。

そしてよくぞこんな展覧会を開いてくれました、天晴れですよ、Bunkamuraさん!

 

もちろん猫好きでない方も楽しめます。

猫という一つのモチーフを通しての一人の画家の表現への挑戦、その多様性、その作風の変遷が見られるのですから、絵画好きならこんな興味深いものはないと思います。

 

今回は撮影可能スポットもありました。

シャッター音、うるさくないようにしながら撮ってきました。

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吉田戦車さん風の猫。

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真ん中の目がクリクリしてるの、うちの子に似てる。

いやおおかた目つき悪かったけど。

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撮るの、楽しい。

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今日は実家の干し柿ラム酒漬けにしたのを飲みます。

ラムの色も柿の色も、シャムなんだか三毛なんだかわからない柄のうちの猫の色だから。

それを炭酸で割ります。

刺激的な子だったから。

私の愛しいボロ雑巾ちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くまさんのTHE JOY OF LIFE

竹橋は東京国立近代美術館

私の周囲もこれは行きたいと言っていた「熊谷守一 生きるよろこび」展に行ってまいりました。

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若い頃の闇や影への関心から、歳をかさねるにつれ明るさへと至るカタルシス

シンプルな画風ながらも感じられる対象物へのあたたかいまなざし。

 

大切なものを失う虚無と、それでも残るぬくもり。

胸のぽっかりと空いた部分に、熊谷守一の絵はまるで花を一つ一つ植えていくようです。

可憐なんだけれども、アスファルトを突き破って行くような、そして太陽の光をめいっぱい浴びていけるような力強さ。

 

まさに「生きるよろこび」。

いいタイトルのいい展覧会だと思いました。

 

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 東近美は常設展もとてもよく、今回はこちらの「生きるよろこび」セクションもとてもよかった。

 

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吉岡堅二「楽苑」

 

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小杉放庵(未醒)「椿」

 

 

熊谷守一の「地蜘蛛」はじめオレンジ色が個人的に印象に残る展覧会だったので、オレンジ色っぽいお酒が飲みたいなと思い、ファジーネーブルを飲んで今日の展覧会、やっぱり行ってよかったな、て思いました。

 

 

 

ルドルフさんのコレクションという名の小宇宙

私が渋谷に行く時、それはBunkamura

Bunkamuraは映画やら舞台やら、文化系のエンタメが集まった文化好きにはたまらない施設なのですよ。

私がこの日行ったのは美術館、ザ ミュージアムの「ルドルフ2世の驚異の世界展」。

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ハプスブルク家に生まれ、新聖ローマ帝国皇帝になったルドルフ2世さんの魅力的なコレクション展。

教養を身につけ語学が堪能な彼の好奇心の対象は世界のあらゆる物におよびます。

蝶よ花よ、あれ星屑よ、はては錬金術にまで。その多様に網羅された興味とコレクションはもはや一つの小宇宙と言ってよいでしょう。

この小宇宙がなんと言っても魅力的。

 

ルドルフさんの好奇心と彼に気に入られた芸術家たちの感性はどうやらお互いをインスパイアし合い、そんな彼らの関係は蜜月だったのではないかと思わせるぐらい展覧会はまるでユートピアです。

展示されてる絵画は生きとし生ける多種多様な生物が入り交じっているものが多く。

そして暗いイメージの作品があまりない。

ルドルフさんは宮廷内に動植物園を作り、ドードーはじめ世界の珍しい動植物を集め、宮廷お抱えの画家たちはそれら実物を見ながら絵を描くことができたそうで、絵にはその喜びが満ち満ちています。

描く喜びに満ち溢れた絵というのは観る者をとても幸せにしますね!

集める人も幸せ、創る人も幸せ、観る人も幸せ。

すべからく全ての芸術がそうであってほしい。

きっとそうであっただろう展覧会を観て、改めてそう感じました。

 

 

けれどルドルフさんは宗教対立や政治、結婚(ハプスブルク家は政略結婚が多かった)などの泥くさいことは苦手だったようで、ウィキペディアによると兄ルドルフの才能に嫉妬した弟のマティアスによりルドルフさんは皇帝位を追われたそうな。

ルドルフさんの才能って?

趣味の良さ??

もしそうならば、私も自分の趣味に自信がないのでわかりますわかります、マティアスさんのお気持ち。

でも皇帝位は追われたけれど、ルドルフさんが築いた都はプラハの礎となり、そして彼の小宇宙も時を超え国境を超えて今、様々な人たちと共鳴してるのです。

ルドルフさんの小宇宙と私の中の小宇宙、確かに共鳴し合いました。

誰かと感性が意気投合するって、とっても気持ちのいいもんだ。

そう言いきれるのは観覧者の特権です。

ていうか、ほんと趣味いいね、ルドルフさん!

 

ちなみに「拡大される世界」の天文セクションの壁は星屑が散りばめてあってとても可愛らしい。
うちもあんな部屋だったらいい。

 

そして入口には展覧会目玉の作家アルチンボルドの「春」「夏」「秋」「冬」。

フィリップ・ハースによって3D化された物が特別展示されてます。

 

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 いろんな植物が合わさって一つの形を成す、というのはやっぱり一つの小宇宙って感じがしますね。

 

これはミュージアムショップで思わず買ってしまったアルチンボルド赤ワイン。

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 プラハが首都のチェコ共和国🇨🇿ではビーフシチューがよく食べられるのだそうで、この日の夕飯はルドルフさんのユートピアの余韻に浸りながらビーフシチューを作ってアルチンボルド赤ワインをいただきました。

 

 

追記

 

渋谷のスクランブル交差点からBunkamuraのある東急百貨店本店に上る道を、さらにひたすらまっすぐ行くと右側にテオブロマという可愛らしいお店があります。

私が推してるお菓子ブランドです。

いつもはデパ地下で買ってるのですが、ショップもあると聞いて初訪問。

可愛いお菓子、いっぱい置いてありましたー

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 ハチ公チョコ

喫茶でガトーショコラ食べましたー

美味しくて可愛くて美術館帰りの寄り道もかなり幸せでございました。

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マグリットと同じ空を見る

先日、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムに「ベルギー 奇想の系譜」展を見にいったんでした。

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とってもユニークで、隙間なくユーモアがたっぷりな展覧会。

どの作品を観てもプッと吹き出してしまいそう。

そんなところは日本の浮世絵師、歌川国芳を彷彿とさせます。

そういえば、ベルギー作家さんの今回の展覧会の変遷を見てみると、日本の水墨画、浮世絵、日本画を思い起こさせました。

喜怒哀楽の表現が豊富だったり、ベタ塗りっぽいところが共通点なのかなあと一人で勝手に思いました。

幼子のイエスを背負った聖人の図が何枚かあるのですが、イエスがどんどん重くなっていくらしく、聖人が、ギョエ〜〜!!という顔をしてるのなんか、「イエス様、子泣き爺ですか!?」って感じでほんとコメディ。

ギョエ〜〜!!といえば、世紀を超えたベルギーの楳図かずおさんか!という作品もあって、奇才というのは時代も国境も超えるのだな、といたく感動したのでした。

図録を買ったのですが、改めてすみずみまで眺めて、あ、こんなところにも笑かしてくれるものが、という新しい発見に終わりが見えません。

行ってよかった。

楽しい展覧会でした。

その次の日くらいの晴れた空に鳩が飛んでいるのを見て、あ、今展覧会で観たマグリットと同じ空を見た、と思ったんでした。

時代も国も違うのにね。

完全に自己満足ですけど、こんな感じで好きな作家さんとコミュニケーションとれたような気分になるのもいいもんですね。

 

ところで美術館は一人で行くことが多いのですが、今回は友人と観ることにして、待ち合わせを開館時間に、と約束していて、前日になって友人からBunkamuraの近くのVIRONというパン屋でモーニングのパン食べ放題をやっているから一時間前に落ち合ってパンを食べまくろう!という魅惑の提案があったのです。

おいしいパン最近食べてないな、VIRONのパンすっごい食べたい!ああパン!!という激しい欲求は芽生えたのですが、なにぶん家事が溜まりに溜まり、これ以上溜めたら人間らしい生活とはいえない、と人間らしさの誇りの最後の一欠片を振り絞って泣く泣くパン食べ放題を断り家事をとり。

 当日朝目標の家事をやっつけおそらくパンをたらふく食べたんだろうないいないいなうらやましいなー、と思っていた友人も家庭持ちのため家事に追われた朝だったそうで、お互いギリギリに到着。

朝はやっぱりバタバタしちゃうよねー、とか思いながら展覧会会場に入ると朝イチから結構人がいて、なんで皆さん朝っぱらからそんな余裕で用事済ましてきたーって素ぶりで絵なんか観ちゃってるんですか?ってなった。

人としての差を感じざるを得ません。

もっと人としてのクォリティを高めたいです。

 

そして展覧会を観終わって、おいしいパンに後ろ髪を引かれていた友人と私はVIRONでランチを即決し、豪華ランチとともに念願のおいしいパンにありつけたのでした🥖

 

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バゲット。

ベルギー料理ではないけれど、ベルギーで食べたバゲットが思い出深いので、展覧会の余韻に浸りながら食べました。

友人は魚料理だったから白ワイン。

私はミートパイだったので赤ワイン。

昼から不良な大人達はアルコールを楽しむのです。

だってこのブログのタイトル、「あの絵を肴に」だし。

 

 

 

 

 

 

 

故郷で奈良さんを観る

7000回も雷を落とした超巨大積乱雲が迫り来るあやしい天気の夕暮れに、なかなかのキツさと評判のあの坂を上って行って参りました。

豊田市美術館奈良美智さんの「for better or worse」展。

 

 ホラがんばっておのぼんなさい、この坂をのぼればお目当のものがありますよ、と言わんばかりの坂の隣の道案内。

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坂をのぼりきったところに、正面入り口よりもちょっぴりとひっそりとした佇まいの出入り口。

この頃はまだお空は晴れてる感はあったのですよ。

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チケットを購入して、早速展示へ。

他の観覧者から作品が少ないという声もあるようだけれど、私には一つ一つの作品を大事にした、とても印象に残りやすい展示のように思いました。

だいたい、一つの壁に対して一つの絵。

次から次へと追われる感のない展示。

じっくりと、絵の女の子、あるいは男の子と対峙できます。

 

ササっと描かれたようなドローイング。

一本の何気なく描かれたような線が、いろんな楽器の音色の集まりよう。

いつも思ってることだけど、奈良さんの、絵のタイトルのつけ方、とてもすきです。

 

キャンバスに描かれた絵はとてもシンプルで、絵の中の女の子や男の子は本当にかわいいのだけど、その中にこの星の上で起こる残酷さや理不尽、怒り、悲しみなどに向き合うとてつもなく多重で濃厚なパワー。

 

一方で、へび少女みたいな子の、まるで竜が住む池のようにどこまでも澄みきった、底なしの愛情のようなまなざし。 

かわいい=うすっぺらい、ていうのは違うよね。

いろんな無限の何かを内包したかわいさ。

 

月の部屋みたいなのがあって、階段のガラスの手すりに反射された二つの月が、湖に映り込んだ月みたいでとても綺麗でした。

 

展示室を移動する最中に実家方面の景色が見える通路があるのですけど、奈良さんはツイッターでもよく故郷のことや地方文化の重要性のことを話されていて、そこに私は共感したりしているので、その奈良展の真っ只中でふっと自分のリアル故郷が見えるという、この通路はなんとも私にとってとても意味のある通路に感じて、これもこの展覧会の大事な展示の一つだな、と個人的には思ったのでした。

向こうの山々の方で雷がビッカビッカ光ってた(光りまくっていた)のも、パンクがすきな奈良さんの展覧会っぽくて良いな、と⚡️

 

奈良さん総特集の「ユリイカ」や「疾駆」も東京でちょっと前に買ってあって予習しようと思いつつ、なかなか読めずで悔やまれたのですが、これから読むのがすごく楽しみです。

 

ミュージアムショップ、いろいろと品切れになったのもわかります、どれもほしい!!

その中からポストカード2枚と、今まさに着てるライトグレーのTシャツを買い、図録も予約してきました!

届くのが楽しみ!

 

もう一つの展覧会、森千裕さんの「omoide in my head」展が思ってたより早く終わってしまうみたいなので予定を繰り上げてきましたが、無事に観れてよかった。

森さんの作品もかわいく、キレッキレで、ユーモアがあって、やっぱユーモアいいよね、あった方がいいよね、センス オブ ユーモアね、と、最近プライペートでも思ってることを改めて思いました。

これからも楽しみな方だと思います。

 

正面入り口の方も撮っちゃいました。
お空がもうちょっとヤバい感じ。
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まだ時間が弱冠残ってて、いまだ行ったことのない高橋節朗館に行こうか迷ったのですが、スーパーセルが近づいてる中、無謀にも傘も持たずに歩いて実家に帰ろうと思っていたので、高橋節朗館はまた次の機会にとっておいて、スーパーセルに追われるようにして足早に坂を下り、7000個の雷を落とした超巨大積乱雲にギリギリ追いつかれないまま家に着き、とてもスリリングな帰路となりました。

母に「傘も持たないでなんで雷雲と競争するの」と言われました。

 

今回は綺麗な庭や池や建物は堪能できず、ほんとはもっとゆっくりしていきたかったな、でも雷と奈良さんと豊田市美術館もなかなか乙な組み合わせのいいタイミングで観れてよかったなー、と、一人で勝手に満足しております。

 

 

 

 

 

あの絵を肴に飲んでます

最近ちっとも更新してないです。

単純に時間がないからです。

それでも時間と体力があれば美術館に行ってますし、ミュージアムショップで買った図録や撮影可の展覧会で撮った写真を観ながら束の間の晩酌をし、ムフフとなっています。

例えば最近のお気に入りのこの絵とか。

クスクス。

 

 

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N.S.ハルシャ

探し求める者たちの楽園

Seekers' Paradise

       ークリエイティブ・コモンズ・ライセンス

 

ハルシャさんの展覧会、また日本であったらいいな!!

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N.S.ハルシャさんのスケッチ

      ークリエイティブ・コモンズ・ライセンス

 

 

        

 

だから彼の作品が好き so this is why I like his works!

奈良美智さんという、私がすきなアーティストの方がいらっしゃるのですが、もうだいぶ前(去年!)の話で恐縮ですが、彼がすきな作品群が展示された展覧会に行ったのでした。(東京国立近代美術館奈良美智がえらぶMOMATコレクション”)

スマホのギガの消費量が著しくなったので控えてたのですが、今日はギガが安定してる気がするので、えーい、思い切って。

 

考えこまず直球で良くて、「アートってなんだか難しいんじゃない??」って思ってる人にも観て欲しい!

と思ったので、撮りまくった作品群を載せますよ(こらえておくれギガ!)

 

まずはフライヤーにも使われていたこの絵から。 

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古賀春江  〈月花〉

古賀さんの絵は近美の今(2017年2月初旬)のMOMATコレクション展でも展示されていて、古賀さんならではの突き抜けた明るさのような感じと、ほんわかとかわいらしい感じがとてもよいのです。

 

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長谷川三郎〈オルレアン街道の雨〉

童話のような雨風景。

童話のような絵、すきです。

 

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長谷川利行〈新宿風景〉

こちらも童話のような新宿?

個人的に今、新宿とは縁があるのですが、ネオンじゃないこんな明るくカラフルな新宿、いいですね。

 

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草満信成〈三部試作「成長」手伝〉

歳の近い従姉妹達とおばあちゃんちで過ごした夏休みを思い出しました。

牧歌的な、金色の、人生の財産のような夏休み。

 

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香月泰男〈釣り床〉

色彩、構図、シンプルさ、無条件で好きな絵。

シンプルな絵、すき。

 

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野口謙蔵〈霜の朝〉

柳田國男遠野物語みたいで良い。

寒い地方の寒い朝の匂い。

 

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土方久功〈猫犬〉

言葉はいらない。

Cute!!🐶🐈🐕🐱❤

 

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中村岳陵〈少女〉

この絵は私が持ってる中村岳陵の図録にも載ってるのですが、自分が愛しいと思ってるものを、奇を衒わずに愛しいまま描きあげられたんじゃないかという、愛しさに清々しさまで感じられる絵。

中村岳陵は、他にも愛しさと清々しさとを感じさせる絵をたくさん描いています。

好きな作家さん。

 

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辻永〈椿と仔山羊〉

これは可愛い。

ど直球の可愛さ。

ピンクと椿と仔山羊。

絵画でこんなに素直に可愛さを追求していいんだ!と、なんだか許しを得たような気分。

 

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横山潤之助〈裸婦〉

好きな子のヌードを思う時の神聖さと照れくささみたいなものを感じます。

奈良さんはこの少女の髪の毛の描き方がとても良いと。

うん、良いです。

 

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須田国太郎〈犬〉

黒い犬、赤い目、緑がまじった絶妙な配色のバック。

私のために描かれた絵ではないかと思ってしまう。

この絵を描いてくれてありがとう、と思う絵に巡り合う事はとても喜ばしいことですが、この絵もそんな喜びの一枚。

 

そして、松本竣介

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〈Y市の橋〉

 

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〈並木道〉

 

奈良さんと松本竣介の絵のコラボ展示(二人のファンにとってはたまらないですね)

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そして、これ。

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耳が聞こえなかった松本の自画像に、奈良さんが描いたギターを弾く女の子が音楽を聴かせているような。

絵だからこそ実現できる、優しい計らいがいいです。

 

他にも奈良さんの師匠であり、松本竣介の親友でもあった麻生三郎、榎本千花俊、萬鉄五郎(一人の老紳士が絵の前で、両手の親指と人差し指とでパースをとって、ずーっと真剣に観ていたのが印象的)、村山槐多など盛りだくさんだったのですが、ギガも心配なので…。

 

奈良さんの作品は、奈良さんとこれらの作品との出会いがあったからなのですね。

本にしても映画にしても音楽にしても、自分がすきなものを作る人のすきなものを辿っていくと、またさらにすきなものに出会あるという、芋づる式の出会いの連鎖のような幸福な現象はままあることですが、出会いの宝庫のような、とても幸福な展覧会でした。

 

奈良さんは今年の夏、豊田市美術館で個展があるみたいです!

これも私のすき同士のコラボ!

今から本当に楽しみです!!