あの絵を肴に

美術館愛をお酒を片手に語っております

ロマンティックのちから

某日、ロマンティック ロシア展に行ってまいりました。

Bunkamuraミュージアム、一歩入ればロシアの春。

ピンク色の壁にうららかな景色。

なるほど、ロマンティック。

ロマンティックって言葉、暖色系ですね。

春夏秋冬、きれいな色に彩られてそれぞれの季節の中のロシア。

ロシアなのに、なんだか日本の東北の景色の絵を思い出しました。

数年前の東京藝術大学大学美術館の「いま、被災地からー岩手・宮城・福島の美術と復興ー」展で観た福島・白河が郷里の関根正二、「姉弟」とか。

それぞれ作家さんが思いを込めて描かれた風景は寒い国なのにとても暖かかった。

牧歌的。

それに、私ロシア行ったことないのにああ、この空私知ってる、って思った絵がいくつかあって不思議でした。

自分がかつて安心して身や心を預けられた土地を思い浮かべる雰囲気に通じてるかもしれません。

望郷っていうのかも。

少し切なく、ほっこりする、なんだか懐かしい、ロマンティックという言葉にはそんな意味合いも含まれてるのかもしれません。

 

風景画の次は人物画のコーナーだったんですけど、皆さん、威風堂々としてらっしゃる。

絵から実際にモデルとなった人物の人間性がうかがえるってキャプションにいくつかあったんですけど、人間性って言葉によわいんですよ。

人間性ってその人のストーリーじゃないですか。

ストーリー、好きなんです。

そしてそのストーリーを一枚の絵に表すって、絵描きってすごいですね。

特に女性を描いた作品群が良かった。

ナチュラルでいて凛としていて。

その中の一枚がこれですね、フライヤーにも使われていたイワン・クラムスコイの「忘れえぬ女(ひと)」。

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実はこの前日、混み合ってる電車の中で若い女性に「お前がデブなんだよ!」と罵声を浴びせられたばかりだったんですよね。

なかなかショッキングじゃないですか?

私がリアルでデブか否かは実際に私を知ってる人しか知らないことですし、たとえどんな体型であっても誰にも悪意を込めて罵られるいわれはないわけですが、ここ2年は健康と体型を犠牲にせざるを得ない労働をしている自覚もあり体重も増えたのは事実なので、冬だし来てるアウターの影響もあったとしても人間ですもの、それなりに突き刺さる言葉だったわけです。

でもこの展覧会場に描かれてるおおらかでどっしりした風情のロシアの風景画の女性たち、ナチュラルで凛としている人物画の女性たち、そして「忘れえぬ女(ひと)」の眼差しとちからづよいまゆげを前にすると「言いたいヤツには言わせておきなさい。堂々としてなさい。そしてやることをおやりなさい。」と言われてるような感じがして、一人で勝手に勇気をもらいました。

たった一枚で人を勇気づけるって、絵の力ってすごいですね。

 

こんなロマンティック・ロシア展で心強くして、すっかりお腹も空いて口もすっかりロシアだったので、同じBunkamura施設内のロビーラウンジに行きました。

展覧会期間中にはタイアップメニューが用意されていて、今回のロマンティック・ロシア展はボルシチ&オリヴィエサラダ、チケットの半券提示でフード¥200オフ。

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腹ごしらえしたらやはりドリンクが欲しくなってやはり施設内のドゥ マゴ パリ へ。

タイアップメニューのドリンクもやはり半券提示で¥100オフ。

「自家製ジンジャーエールのモスコミュール」私はホットで。

モスコミュールはウォッカウォッカスミノフスミノフはもちろんロシア。

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飲食物を前にするとついつい気が急いて、撮るより前にレモンだけしぼっちゃったやつです。

美味しかったし店員さんも優しかった。

私、ドゥ マゴ パリ好きなんですよ。

決してお安くないのでいつもドキドキするのですが、やはりそれだけの値打ちのある商品提供とサービスをしてくれます。

なので展覧会のたびに今回はどんな料理でどんなカクテルなのかなってチェックしちゃいます。

 

展覧会を観てお腹も満たして粋なお店で粋なカクテルも飲んで、前日のダメージも何処へやら、ロマンティックに、そしてロシアに、エネルギーをもらってホクホクと暖まって冬の渋谷の雑踏の中へと意気揚々と出て行きました。

 

 

つけたし。

風景画で何回か登場する作家さんで気になる人がいたのですが、彼の名前が、「イワン・シーシキン」。

これ、空目しません?

イワシ・シーチキン」と。

一回空目したらもうそんな風にしか見えなくなるアレですよ。

想像しちゃう、こういうの。

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さすが水のもの、失敬、みずみずしい背景をお描きになりますよ、シーチキンさん、ちがう、シーシキンさん。

素敵でした。

 

 

 

 

 

 

 

ストイックな芸術家は年頃の娘の敵 芸術家だって幸せになったっていい

2018年、美術館に行ってもブログを書く余裕がなく、いざ年が暮れようとしてる時にどんな展覧会に行ったかなと振り返ってみると、あまりになんにも思い出せなかったことに唖然とした。

なので2019年は備忘録として簡潔でもやはりブログを残そうと思う。

 

2019年、最初に行った展覧会は「ムンク展」、東京都美術館

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母と行って上野駅で券を買う。

母の分はシニア券。

上野に着く前の電車の中で、入場待ち時間40分とあったので、腹ごしらえでもして少し人数が落ち着くのを待とうということになり、上野駅アトレの蕎麦屋さんへ。

そのお蕎麦屋さんに入る列の最中、「あ〜しまった。身分証明忘れた」と母。

少しでも荷物を軽くするためにそういった類のものも置いて来てしまったそう。

「大丈夫かしら、入れるかしら」

いま母の頭部にある円形脱毛ハゲが広がりそうな勢いで心配しながら蕎麦屋に入店。

心配な母はあったかい山菜蕎麦。

私はムンク展とのコラボのでっかい野菜のかき揚げ二つついたあったかい蕎麦。

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美味しかったけれど超ボリュームで食べきれなくて残す。

東京都美術館に向かう最中、シロクマのぬいぐるみを意気揚々と抱えて歩く男の子とすれ違う。

上野動物園の帰りなんだろう。

よかったね。ずっときみの友達だよ。大事にしてね。

美術館に着いたら少しは入館待ち時間は解消されたもののやはり並んで待たなければならない。

母はチケットを係員に見せるまで「あ〜しまった、あ〜入れるかしら」と心配してる。

その時が来て「生年月日がわかるものをお持ちですか?」と聞かれる。

忘れてしまって…と言うと、「ではご自分の生年月日をおっしゃってください」と言われ、「昭和♪♪年、☀︎月♡日」と淀みなく言う。

そう、この日は母の誕生日。

「では次回は証明書を忘れないでくださいね」と言われ、通してもらえた。

美術館からの誕生日プレゼントみたい。

Happy Birthday 母。

 

じゃあ各々好きに見て出口で待ち合わせね、と言って母と別れた。

それにしても中も混雑してる。

人ごみは苦手だ。

他の人も観たいだろうと思う中でいつまでも絵の前で踏ん張る度胸が私にはない。

その日はオフだったもののハードワークの最中だったので人いきれで眠くなってしまう。

せっかくのムンクなのに眠い。

絵に集中できなくて人々の頭越しに絵を観てわりと足早にまわる。

「叫び」では案の定列ができていてスタッフの方々が手をピロピロさせて「立ち止まらずにご覧くださーい」とやっている。

中の人の意を汲むことに心を砕きがちな自分は「叫び」どころではない。

だからムンク「叫び」の印象はフィヨルドの渦巻き。

それを観てる人の列も渦巻き。

ピロピロ。

 

それにしても数人の女性と交際したものの絵に対してストイックなムンクさんはそのストイックさゆえに独身を貫くことにこだわり、結婚を迫った交際相手との間に銃の暴発事件まで起きてしまう。

そりゃーないよ、あたしの時間返してよ、という女性側の心のうちが聞こえてくるようだ。

ストイックな芸術家は年頃の娘さんの敵だな、と思いつつ、私は「接吻」に見惚れた。

おそらくこれは、絵を描く人が誰かと恋してないと描けない絵だろう。

芸術家は芸術家で恋愛が必要なのだ。

そんな過激な恋もしつつのムンクさん、絵をストイックに追求する傍らで精神を病み、お酒にもどんどん溺れていった。

だから、なんとなくムンクさんの絵はいわゆるアル中の人が描く絵、と言われると、ああ、うん、と思う。

けどムンクさんはお酒断ちをした。

断酒をした後のムンクの絵の明るく健康的なこと。

人間の視界はお酒があるのとないのとではこうも違うのか、と感心した。

私もお酒はほどほどにしよう。

個人的にはお酒断ちした後の絵の方が好きですし。

よく、芸術家は不幸であれ、みたいなのあるけど、そんなのは糞食らえ、と思う。

芸術家だって神経症を治していいし月に行ったっていい。

幸せになってその幸福感をキャンバスいっぱいに描いていい。

ムンクは晩年、ナチスによって退廃芸術の烙印を押されて彼が「子供たち」と呼んだ自身の作品たちも没収された。

彼が幸せだったかはわからないけれど、彼の作風の変遷を見て、少なくとも彼の晩年の作風のようなその明るくキラキラした景色を見れてよかったね、と私は思った。

 

さて、出口である。

母と出口で待ち合わせてる。

母と比べてかなり早いペースで鑑賞した自覚があるので母を待とう。

でもはて、一番手っ取り早い出口は展覧会の物販コーナーを出たとこのような気もするが、そこにいると「出口は下へ」という表示もある。

可能性は低いが母が先に観終えて下で待ってるかもしれないと思い、表示通り降って一階の出口で母を探した。

いない。

待った。

「一階のテレビ観れる椅子にいるよ」とメールした。

待った。

私がそこに着く前からいた隣の女性が男性と合流して、待ち合わせ場所の出口違いでお互いずいぶん待ったらしく、女性側がプンスカお怒りで男性が慌ててなだめてた。

母とは程なく(一時間ほど)合流できたけれど、母はお人好しだし私はボーッとすることが3度の飯より好きなので口論にならずよかった。(母はメールを見てなかった)

 

教訓:

・シニア券を購入するなら身分証明書を忘れずに

・展覧会は万全の体調で

・待ち合わせ場所は具体的に

 

 

おまけ

ムンク展の物販、なかなか面白いものがたくさんあった。

私はお土産用にカラムーチョとのコラボのスナックを買った。

箱もなかなか凝ってる。

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「叫び」をパロディしたもので後ろの通行人が着物着てたり箱の裏には反対アングルで絵を描いてるムンクさんいたり手前になった通行人さんがムーチョつまんでたり。

お土産をあげる子に箱まで見てもらいたかったので箱も持っていった。

そして見せるやいなや、「うん、じゃ見たから」とその子は私の目の前で箱をバキッ!!と真っ二つに折った。捨てるために。

ムンクの叫びのお土産が私の叫びになった瞬間。

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物販用の袋もかわいい。

 

 

簡潔にと思ったけど長くなってしまった。

寝なきゃ。

 

 

 

 

 

猫…いいですよね

今、とても福々しい気持ち。

猪熊弦一郎展 猫たち」展(Bunkamuraミュージアム)の話です。

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私は猫飼ってたので、だいぶ猫好きなフィルターを通して観たことは予めご承知おきください。

のっけから、猫がすき!な感じです。

猫の絵だ、じゃなくて、猫がすき!!!

なのです。

猫好きの人たちの心は間違いなく入口からそれを感じとって呼応し、震えっぱなしなのであります。

 

猪熊さんは1ダースもの猫を飼われていたそうな。

中にはシャム猫の血が混じった雑種もいたらしく、確か同じく猫好きな大佛次郎さん(だったと思う)が、こういう猫は柄が薄汚くツギハギだらけの模様は雑巾のようで貰い手がない、と里親を諦めていたのを、猪熊さんはそれが面白いともらっていったとキャプションにあって、うちの猫もシャムの雑種だったんですよ!うちもボロ雑巾ちゃんって呼んでたんですよ!そこがとてつもなく可愛かったんですよ!!と一人でこっそり興奮共感してました。

猫好きならば、よくぞここまで猫好きの真髄を表現してくれた、天晴れですよ、猪熊さん!と唸ること間違いナシ。

そしてよくぞこんな展覧会を開いてくれました、天晴れですよ、Bunkamuraさん!

 

もちろん猫好きでない方も楽しめます。

猫という一つのモチーフを通しての一人の画家の表現への挑戦、その多様性、その作風の変遷が見られるのですから、絵画好きならこんな興味深いものはないと思います。

 

今回は撮影可能スポットもありました。

シャッター音、うるさくないようにしながら撮ってきました。

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吉田戦車さん風の猫。

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真ん中の目がクリクリしてるの、うちの子に似てる。

いやおおかた目つき悪かったけど。

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撮るの、楽しい。

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今日は実家の干し柿ラム酒漬けにしたのを飲みます。

ラムの色も柿の色も、シャムなんだか三毛なんだかわからない柄のうちの猫の色だから。

それを炭酸で割ります。

刺激的な子だったから。

私の愛しいボロ雑巾ちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くまさんのTHE JOY OF LIFE

竹橋は東京国立近代美術館

私の周囲もこれは行きたいと言っていた「熊谷守一 生きるよろこび」展に行ってまいりました。

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若い頃の闇や影への関心から、歳をかさねるにつれ明るさへと至るカタルシス

シンプルな画風ながらも感じられる対象物へのあたたかいまなざし。

 

大切なものを失う虚無と、それでも残るぬくもり。

胸のぽっかりと空いた部分に、熊谷守一の絵はまるで花を一つ一つ植えていくようです。

可憐なんだけれども、アスファルトを突き破って行くような、そして太陽の光をめいっぱい浴びていけるような力強さ。

 

まさに「生きるよろこび」。

いいタイトルのいい展覧会だと思いました。

 

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 東近美は常設展もとてもよく、今回はこちらの「生きるよろこび」セクションもとてもよかった。

 

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吉岡堅二「楽苑」

 

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小杉放庵(未醒)「椿」

 

 

熊谷守一の「地蜘蛛」はじめオレンジ色が個人的に印象に残る展覧会だったので、オレンジ色っぽいお酒が飲みたいなと思い、ファジーネーブルを飲んで今日の展覧会、やっぱり行ってよかったな、て思いました。

 

 

 

ルドルフさんのコレクションという名の小宇宙

私が渋谷に行く時、それはBunkamura

Bunkamuraは映画やら舞台やら、文化系のエンタメが集まった文化好きにはたまらない施設なのですよ。

私がこの日行ったのは美術館、ザ ミュージアムの「ルドルフ2世の驚異の世界展」。

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ハプスブルク家に生まれ、新聖ローマ帝国皇帝になったルドルフ2世さんの魅力的なコレクション展。

教養を身につけ語学が堪能な彼の好奇心の対象は世界のあらゆる物におよびます。

蝶よ花よ、あれ星屑よ、はては錬金術にまで。その多様に網羅された興味とコレクションはもはや一つの小宇宙と言ってよいでしょう。

この小宇宙がなんと言っても魅力的。

 

ルドルフさんの好奇心と彼に気に入られた芸術家たちの感性はどうやらお互いをインスパイアし合い、そんな彼らの関係は蜜月だったのではないかと思わせるぐらい展覧会はまるでユートピアです。

展示されてる絵画は生きとし生ける多種多様な生物が入り交じっているものが多く。

そして暗いイメージの作品があまりない。

ルドルフさんは宮廷内に動植物園を作り、ドードーはじめ世界の珍しい動植物を集め、宮廷お抱えの画家たちはそれら実物を見ながら絵を描くことができたそうで、絵にはその喜びが満ち満ちています。

描く喜びに満ち溢れた絵というのは観る者をとても幸せにしますね!

集める人も幸せ、創る人も幸せ、観る人も幸せ。

すべからく全ての芸術がそうであってほしい。

きっとそうであっただろう展覧会を観て、改めてそう感じました。

 

 

けれどルドルフさんは宗教対立や政治、結婚(ハプスブルク家は政略結婚が多かった)などの泥くさいことは苦手だったようで、ウィキペディアによると兄ルドルフの才能に嫉妬した弟のマティアスによりルドルフさんは皇帝位を追われたそうな。

ルドルフさんの才能って?

趣味の良さ??

もしそうならば、私も自分の趣味に自信がないのでわかりますわかります、マティアスさんのお気持ち。

でも皇帝位は追われたけれど、ルドルフさんが築いた都はプラハの礎となり、そして彼の小宇宙も時を超え国境を超えて今、様々な人たちと共鳴してるのです。

ルドルフさんの小宇宙と私の中の小宇宙、確かに共鳴し合いました。

誰かと感性が意気投合するって、とっても気持ちのいいもんだ。

そう言いきれるのは観覧者の特権です。

ていうか、ほんと趣味いいね、ルドルフさん!

 

ちなみに「拡大される世界」の天文セクションの壁は星屑が散りばめてあってとても可愛らしい。
うちもあんな部屋だったらいい。

 

そして入口には展覧会目玉の作家アルチンボルドの「春」「夏」「秋」「冬」。

フィリップ・ハースによって3D化された物が特別展示されてます。

 

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 いろんな植物が合わさって一つの形を成す、というのはやっぱり一つの小宇宙って感じがしますね。

 

これはミュージアムショップで思わず買ってしまったアルチンボルド赤ワイン。

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 プラハが首都のチェコ共和国🇨🇿ではビーフシチューがよく食べられるのだそうで、この日の夕飯はルドルフさんのユートピアの余韻に浸りながらビーフシチューを作ってアルチンボルド赤ワインをいただきました。

 

 

追記

 

渋谷のスクランブル交差点からBunkamuraのある東急百貨店本店に上る道を、さらにひたすらまっすぐ行くと右側にテオブロマという可愛らしいお店があります。

私が推してるお菓子ブランドです。

いつもはデパ地下で買ってるのですが、ショップもあると聞いて初訪問。

可愛いお菓子、いっぱい置いてありましたー

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 ハチ公チョコ

喫茶でガトーショコラ食べましたー

美味しくて可愛くて美術館帰りの寄り道もかなり幸せでございました。

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マグリットと同じ空を見る

先日、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムに「ベルギー 奇想の系譜」展を見にいったんでした。

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とってもユニークで、隙間なくユーモアがたっぷりな展覧会。

どの作品を観てもプッと吹き出してしまいそう。

そんなところは日本の浮世絵師、歌川国芳を彷彿とさせます。

そういえば、ベルギー作家さんの今回の展覧会の変遷を見てみると、日本の水墨画、浮世絵、日本画を思い起こさせました。

喜怒哀楽の表現が豊富だったり、ベタ塗りっぽいところが共通点なのかなあと一人で勝手に思いました。

幼子のイエスを背負った聖人の図が何枚かあるのですが、イエスがどんどん重くなっていくらしく、聖人が、ギョエ〜〜!!という顔をしてるのなんか、「イエス様、子泣き爺ですか!?」って感じでほんとコメディ。

ギョエ〜〜!!といえば、世紀を超えたベルギーの楳図かずおさんか!という作品もあって、奇才というのは時代も国境も超えるのだな、といたく感動したのでした。

図録を買ったのですが、改めてすみずみまで眺めて、あ、こんなところにも笑かしてくれるものが、という新しい発見に終わりが見えません。

行ってよかった。

楽しい展覧会でした。

その次の日くらいの晴れた空に鳩が飛んでいるのを見て、あ、今展覧会で観たマグリットと同じ空を見た、と思ったんでした。

時代も国も違うのにね。

完全に自己満足ですけど、こんな感じで好きな作家さんとコミュニケーションとれたような気分になるのもいいもんですね。

 

ところで美術館は一人で行くことが多いのですが、今回は友人と観ることにして、待ち合わせを開館時間に、と約束していて、前日になって友人からBunkamuraの近くのVIRONというパン屋でモーニングのパン食べ放題をやっているから一時間前に落ち合ってパンを食べまくろう!という魅惑の提案があったのです。

おいしいパン最近食べてないな、VIRONのパンすっごい食べたい!ああパン!!という激しい欲求は芽生えたのですが、なにぶん家事が溜まりに溜まり、これ以上溜めたら人間らしい生活とはいえない、と人間らしさの誇りの最後の一欠片を振り絞って泣く泣くパン食べ放題を断り家事をとり。

 当日朝目標の家事をやっつけおそらくパンをたらふく食べたんだろうないいないいなうらやましいなー、と思っていた友人も家庭持ちのため家事に追われた朝だったそうで、お互いギリギリに到着。

朝はやっぱりバタバタしちゃうよねー、とか思いながら展覧会会場に入ると朝イチから結構人がいて、なんで皆さん朝っぱらからそんな余裕で用事済ましてきたーって素ぶりで絵なんか観ちゃってるんですか?ってなった。

人としての差を感じざるを得ません。

もっと人としてのクォリティを高めたいです。

 

そして展覧会を観終わって、おいしいパンに後ろ髪を引かれていた友人と私はVIRONでランチを即決し、豪華ランチとともに念願のおいしいパンにありつけたのでした🥖

 

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バゲット。

ベルギー料理ではないけれど、ベルギーで食べたバゲットが思い出深いので、展覧会の余韻に浸りながら食べました。

友人は魚料理だったから白ワイン。

私はミートパイだったので赤ワイン。

昼から不良な大人達はアルコールを楽しむのです。

だってこのブログのタイトル、「あの絵を肴に」だし。

 

 

 

 

 

 

 

故郷で奈良さんを観る

7000回も雷を落とした超巨大積乱雲が迫り来るあやしい天気の夕暮れに、なかなかのキツさと評判のあの坂を上って行って参りました。

豊田市美術館奈良美智さんの「for better or worse」展。

 

 ホラがんばっておのぼんなさい、この坂をのぼればお目当のものがありますよ、と言わんばかりの坂の隣の道案内。

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坂をのぼりきったところに、正面入り口よりもちょっぴりとひっそりとした佇まいの出入り口。

この頃はまだお空は晴れてる感はあったのですよ。

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チケットを購入して、早速展示へ。

他の観覧者から作品が少ないという声もあるようだけれど、私には一つ一つの作品を大事にした、とても印象に残りやすい展示のように思いました。

だいたい、一つの壁に対して一つの絵。

次から次へと追われる感のない展示。

じっくりと、絵の女の子、あるいは男の子と対峙できます。

 

ササっと描かれたようなドローイング。

一本の何気なく描かれたような線が、いろんな楽器の音色の集まりよう。

いつも思ってることだけど、奈良さんの、絵のタイトルのつけ方、とてもすきです。

 

キャンバスに描かれた絵はとてもシンプルで、絵の中の女の子や男の子は本当にかわいいのだけど、その中にこの星の上で起こる残酷さや理不尽、怒り、悲しみなどに向き合うとてつもなく多重で濃厚なパワー。

 

一方で、へび少女みたいな子の、まるで竜が住む池のようにどこまでも澄みきった、底なしの愛情のようなまなざし。 

かわいい=うすっぺらい、ていうのは違うよね。

いろんな無限の何かを内包したかわいさ。

 

月の部屋みたいなのがあって、階段のガラスの手すりに反射された二つの月が、湖に映り込んだ月みたいでとても綺麗でした。

 

展示室を移動する最中に実家方面の景色が見える通路があるのですけど、奈良さんはツイッターでもよく故郷のことや地方文化の重要性のことを話されていて、そこに私は共感したりしているので、その奈良展の真っ只中でふっと自分のリアル故郷が見えるという、この通路はなんとも私にとってとても意味のある通路に感じて、これもこの展覧会の大事な展示の一つだな、と個人的には思ったのでした。

向こうの山々の方で雷がビッカビッカ光ってた(光りまくっていた)のも、パンクがすきな奈良さんの展覧会っぽくて良いな、と⚡️

 

奈良さん総特集の「ユリイカ」や「疾駆」も東京でちょっと前に買ってあって予習しようと思いつつ、なかなか読めずで悔やまれたのですが、これから読むのがすごく楽しみです。

 

ミュージアムショップ、いろいろと品切れになったのもわかります、どれもほしい!!

その中からポストカード2枚と、今まさに着てるライトグレーのTシャツを買い、図録も予約してきました!

届くのが楽しみ!

 

もう一つの展覧会、森千裕さんの「omoide in my head」展が思ってたより早く終わってしまうみたいなので予定を繰り上げてきましたが、無事に観れてよかった。

森さんの作品もかわいく、キレッキレで、ユーモアがあって、やっぱユーモアいいよね、あった方がいいよね、センス オブ ユーモアね、と、最近プライペートでも思ってることを改めて思いました。

これからも楽しみな方だと思います。

 

正面入り口の方も撮っちゃいました。
お空がもうちょっとヤバい感じ。
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まだ時間が弱冠残ってて、いまだ行ったことのない高橋節朗館に行こうか迷ったのですが、スーパーセルが近づいてる中、無謀にも傘も持たずに歩いて実家に帰ろうと思っていたので、高橋節朗館はまた次の機会にとっておいて、スーパーセルに追われるようにして足早に坂を下り、7000個の雷を落とした超巨大積乱雲にギリギリ追いつかれないまま家に着き、とてもスリリングな帰路となりました。

母に「傘も持たないでなんで雷雲と競争するの」と言われました。

 

今回は綺麗な庭や池や建物は堪能できず、ほんとはもっとゆっくりしていきたかったな、でも雷と奈良さんと豊田市美術館もなかなか乙な組み合わせのいいタイミングで観れてよかったなー、と、一人で勝手に満足しております。