あの絵を肴に

美術館愛をお酒を片手に語っております

あの絵を肴に飲んでます

最近ちっとも更新してないです。

単純に時間がないからです。

それでも時間と体力があれば美術館に行ってますし、ミュージアムショップで買った図録や撮影可の展覧会で撮った写真を観ながら束の間の晩酌をし、ムフフとなっています。

例えば最近のお気に入りのこの絵とか。

クスクス。

 

 

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N.S.ハルシャ

探し求める者たちの楽園

Seekers' Paradise

       ークリエイティブ・コモンズ・ライセンス

 

ハルシャさんの展覧会、また日本であったらいいな!!

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N.S.ハルシャさんのスケッチ

      ークリエイティブ・コモンズ・ライセンス

 

 

        

 

だから彼の作品が好き so this is why I like his works!

奈良美智さんという、私がすきなアーティストの方がいらっしゃるのですが、もうだいぶ前(去年!)の話で恐縮ですが、彼がすきな作品群が展示された展覧会に行ったのでした。(東京国立近代美術館奈良美智がえらぶMOMATコレクション”)

スマホのギガの消費量が著しくなったので控えてたのですが、今日はギガが安定してる気がするので、えーい、思い切って。

 

考えこまず直球で良くて、「アートってなんだか難しいんじゃない??」って思ってる人にも観て欲しい!

と思ったので、撮りまくった作品群を載せますよ(こらえておくれギガ!)

 

まずはフライヤーにも使われていたこの絵から。 

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古賀春江  〈月花〉

古賀さんの絵は近美の今(2017年2月初旬)のMOMATコレクション展でも展示されていて、古賀さんならではの突き抜けた明るさのような感じと、ほんわかとかわいらしい感じがとてもよいのです。

 

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長谷川三郎〈オルレアン街道の雨〉

童話のような雨風景。

童話のような絵、すきです。

 

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長谷川利行〈新宿風景〉

こちらも童話のような新宿?

個人的に今、新宿とは縁があるのですが、ネオンじゃないこんな明るくカラフルな新宿、いいですね。

 

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草満信成〈三部試作「成長」手伝〉

歳の近い従姉妹達とおばあちゃんちで過ごした夏休みを思い出しました。

牧歌的な、金色の、人生の財産のような夏休み。

 

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香月泰男〈釣り床〉

色彩、構図、シンプルさ、無条件で好きな絵。

シンプルな絵、すき。

 

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野口謙蔵〈霜の朝〉

柳田國男遠野物語みたいで良い。

寒い地方の寒い朝の匂い。

 

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土方久功〈猫犬〉

言葉はいらない。

Cute!!🐶🐈🐕🐱❤

 

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中村岳陵〈少女〉

この絵は私が持ってる中村岳陵の図録にも載ってるのですが、自分が愛しいと思ってるものを、奇を衒わずに愛しいまま描きあげられたんじゃないかという、愛しさに清々しさまで感じられる絵。

中村岳陵は、他にも愛しさと清々しさとを感じさせる絵をたくさん描いています。

好きな作家さん。

 

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辻永〈椿と仔山羊〉

これは可愛い。

ど直球の可愛さ。

ピンクと椿と仔山羊。

絵画でこんなに素直に可愛さを追求していいんだ!と、なんだか許しを得たような気分。

 

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横山潤之助〈裸婦〉

好きな子のヌードを思う時の神聖さと照れくささみたいなものを感じます。

奈良さんはこの少女の髪の毛の描き方がとても良いと。

うん、良いです。

 

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須田国太郎〈犬〉

黒い犬、赤い目、緑がまじった絶妙な配色のバック。

私のために描かれた絵ではないかと思ってしまう。

この絵を描いてくれてありがとう、と思う絵に巡り合う事はとても喜ばしいことですが、この絵もそんな喜びの一枚。

 

そして、松本竣介

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〈Y市の橋〉

 

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〈並木道〉

 

奈良さんと松本竣介の絵のコラボ展示(二人のファンにとってはたまらないですね)

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そして、これ。

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耳が聞こえなかった松本の自画像に、奈良さんが描いたギターを弾く女の子が音楽を聴かせているような。

絵だからこそ実現できる、優しい計らいがいいです。

 

他にも奈良さんの師匠であり、松本竣介の親友でもあった麻生三郎、榎本千花俊、萬鉄五郎(一人の老紳士が絵の前で、両手の親指と人差し指とでパースをとって、ずーっと真剣に観ていたのが印象的)、村山槐多など盛りだくさんだったのですが、ギガも心配なので…。

 

奈良さんの作品は、奈良さんとこれらの作品との出会いがあったからなのですね。

本にしても映画にしても音楽にしても、自分がすきなものを作る人のすきなものを辿っていくと、またさらにすきなものに出会あるという、芋づる式の出会いの連鎖のような幸福な現象はままあることですが、出会いの宝庫のような、とても幸福な展覧会でした。

 

奈良さんは今年の夏、豊田市美術館で個展があるみたいです!

これも私のすき同士のコラボ!

今から本当に楽しみです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリメッコもマリメッコっ子も知ってるよ

このところスマホのギガが勢いよく減っていくのでSNSは自重してましたが、久しぶりに美術館に行った話題を(ギガの関係で短めですが。短くなるかな?)。

バタバタしてたので美術館自体も久しぶりだったのですが…。

 

先日Bunkamura ザ・ミュージアムマリメッコ展に行って参りました。

 

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おしゃれさんでもそうでなくてもこのデザインには見覚えがあるはず。

私みたいに「あなた、なんてオシャレ!」とかあまり言われたことのない者でも、この赤いお花(『ウニッコ』。ケシの花だそう)がどこのブランドのものなのか、ええ、知ってますとも!

だから普段美術館に行かない人とでも、展示が始まる前から「今度Bunkamura でやるマリメッコ展ってさ…」って話題で盛り上がって、楽しめた。

こういう、美術好きでなくてもみんなで楽しめる展覧会というのもいいもんですね。

そもそもマリメッコのデザインが、見ていて楽しくなるようなデザインばかりですものね。

着ていて、使っていて、自分がいい気分になれそうな、だから展覧会も見ている方もハッピーになれる、そんな展覧会でした。

 

思ったのが、自分自身で何かを表現するのに一番手っ取り早い方法がファッションなのですよね。

今頃になってレンタルで「アグリーベティ」を観ているのですが(ファイナルシーズンに突入中)、言うまでもなくこれはファッションに疎い編集者志望の真面目なメガネのぽっちゃりちゃんのベティが、ファッション雑誌の編集長のアシスタントになっちゃって、ファッション業界や業界人に揉まれながら成長していくアメリカのテレビドラマ(メキシコ発)なのですが、そんなベティが新進気鋭のデザイナーのファッションショーを初めてプロデュースする事になった時、その試行錯誤の中で、ふと気づきを得るのです。

「ファッションは芸術だ!」と。

「自分で感じたことを人々と共有するためのものだ!」と。

 

ファッションとはモテのためのもの、と思ってる方もたくさんいらっしゃるのもわかってるし、そんな方の中には誠にお気の毒と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、モテファッションとは縁遠い私(ベティに共感するところがいっぱいあります…)には、このベティの言葉がしっくりきたのですよね。

 

マリメッコのデザイナー達のデザインに対する姿勢というのは、このベティの言葉と重なるものがあるように思いました。

真摯に、世の中の人たちに、自分たちが気持ちいいと思っているものを気持ちいいと思えるデザインで送れるように。

人々が気持ちよく生活できるように。

そんな思いが伝わってくるような、よい展覧会でした。

私も、いつも寝ぼけまなこで決まりきった組み合わせの服ばかり選んでないで、もう少しファッションに敬意を表して、ファッショナブルにアグレッシブに生活してみようかしら、と、ふつふつとオシャレ意欲みたいなものが湧いてきたりしました。

自分が気持ちよくいられる格好で、日々生活できたら、それこそ本当に気持ちのよい生活になるのでしょう。

 

気持ちよくなれるマリメッコ展、今月12日まで(いつも終了間際に行ってしまう)。

次は「これぞ暁斎!」展(2/23〜4/16)だそうです。

河鍋暁斎ですよ!こちらも楽しみですね。

 

 

 

 

それはまるでチョコレートのように

私は美術館が好きなのだけど、それはたまになんだけど、どうも「意識高い系、きどってる」って思われてるんじゃないかって思う反応がある時があるのだけど、そしてそれはちょっぴり悲しかったりするのだけど、私にとって美術館は、ダイエット中のチョコレートのような、子供の頃お小遣いを貰ってなくて日本の物がとても高かった土地にいた頃に、年に一、二回、親が買ってくれたまんがのような、雨上がりの虹を見るような、そんなご馳走感をもたらしてくれるのが、私にとっての美術館で、そしてそれは確実に豊かな栄養を私の心身に巡らせてくれるのです。

宇宙飛行士にはなれないんだけど

「六本木」には、あまり行かない。

お金持ちでセレブでブイブイ言わせてる人たちのギラギラの街、というイメージを勝手に持っているので、上記のどれにも当てはまらない私には、美術館に行く時と、誰かに贈り物を買う時以外、あまり六本木に行く機会はない。

 

でもそんな六本木が、宇宙と、しかも美術館で繋がったというので、行って参りました。

 

森美術館は「宇宙と芸術展」へ。

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(もう1ヶ月以上前なんだけど。時間がたってから思い出にひたりながら記すのもまた楽しいもの。…まあ、ちょっと余裕なかったんですけど)

 

入り口から「六本木」らしい(と、勝手に思ってる)ブイブイ言わせてるような雰囲気の、何かの取材で来てるっぽい方達と一緒になって、ああ六本木だな、ヒルズだな、やっぱちょっとチャラいぞ偏見、と思ったのだけど、そんな彼らから「え、写真撮っていいの?」「はい、最近そんな美術館、結構あるんですよ」という会話が聞こえてきて、「私は写真撮っていい美術館あるの、知ってたもんね←今年知ったヒルズ族と違ってブイブイ言わせられないけど←貧乏だけど、でも、チガイのわかるオンナよ」←廃れた言い回し負け惜しみ、なんて入り口から彼らにちょろっと対抗意識を燃やしておりました。

けれど撮影可に浮かれてパシャパシャ写メを撮りまくった私とヒルズな彼らの姿はおそらくはたから見て、ミーハーっぽさにおいてなんの違いもなかったろう、と思われます。

 

ミーハーオーラ全開でヒルズな彼らと並んで撮った刀。

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 流星刀」 岡吉国宗

 

流星刀というのは隕石の一種、隕鉄から作られた日本刀の総称との事。

普通の鉄より作るのやっぱり大変だったんだそうな。

 

同じくヒルズな彼らとミーハーシャッター音の饗宴。

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「過去についてのスタディ」 ローラン・グラッソ

絵の中の大きな石は、実際に兵庫県にあるそう、見に行きたい。

 

 

 

 

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「うつろ舟」

1803年(享和3年)、常陸国茨城県)の海岸に、UFOとよく似た舟、「うつろ舟」が漂着したという文書。

舟の中には見知らぬ文字と美しい女が…!?

なんだこれ、面白いなあ。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵がある。

やめてうますぎる。

 

ガリレオ・ガリレイの月の絵もある。

あなた、学者さんでしょ?なんでそんなにうまいの?

好きこそものの上手なれ、てね、なるほどねえ。

 

昔の人は謎だらけの宇宙を解明するために、そしてより身近に感じるために、宗教で、科学で、娯楽で、芸術で、いろんなアプローチをしてきたんだなぁ、と改めて感心。

 

 

現代の人達の宇宙へのアプローチも星座のように多彩で面白うございました。

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高層階の外が見えるこの部屋、展覧会の度に今度はどんな風に使われるんだろうって思う。

行ったのが夜だったら、きっともっと面白くて綺麗だったね。

ブラックホール(Mー領域)」 ビョーン・ダーレム

 

大きな大きなコンパスが、軌道に乗って、ゆっくり回るのをゆったり見る。

「タイムピース」 コンラッドショウクロス

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皆さんお寛ぎの中、脚を椅子にひっかけてすっ転び、お騒がせしました、ごめんなさいね。

 

そしてSFコーナー。(「うつろ舟」はほんとはSFコーナーにあった)

地球人はいつか宇宙人を作り上げるかもしれないね。

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「ザ・ルーキー」 パトリシア・ピッチーニ

 

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ウイ、うちのメタボチックな母もたま〜にセクシーだけど、彼女、メタリックな肌がとってもセクシー。

 「セクシーロボット」 空山茎

 

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「ザ・クローラー」 トム・サックス

1986年、打ち上げ3秒後に空中分解したスペースシャトル、チャレンジャー号の模型。

あの時散ったチャレンジャー達の夢が、この「ザ・クローラー」に乗って、宇宙に届きますように。

 

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「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていくーLight in Space」(映像) チームラボ

良かった。良かったので、繰り返し観た。

上下左右もないような、無重力みたいな状態になるので、酔ってしまった。

子供の頃、どこぞの宇宙関連施設の「これが宇宙旅行だ!」、みたいな映像を観て酔ってしまったのを思い出す。

宇宙酔いだぁって当時は大人になったような、キラキラした気持ちになったけど、大人の年齢になるにつれ、自分は狭い空間で誰とでも仲良くやれる宇宙飛行士の適正として望まれる、そんな大人な人格は持ち合わせてない、と自覚して、少し落ち込んだりしてた(いや、宇宙飛行士を目指してた訳じゃないけど)

それで今回、宇宙酔いする事を思い出しちゃって、自分やっぱ宇宙行けないじゃん、と再びショックを受けた訳だけど、いやいや大丈夫。

展示によると、現代のテクノロジーの積み重ねのその先には、宇宙はとっても近い所にあるようだ。

狭い空間での長旅もない、宇宙酔いもない、そんな所に宇宙があるかもしれない。

そう遠くない未来に。

 

でも、宇宙は昔からあったんだよね、すぐそこに。

地球ができるよりもずっと昔から今、これから先も。

それぞれの時代の、それぞれの地域の、それぞれの価値観の人達がどんな風に捉えようと。

 

期せずして展示を一緒に観てまわる事になったヒルズな彼らと私も含め、みんな、宇宙の中では一緒くたの存在なんだな、そしてみんな宇宙(そら)を見上げるのが好きなんだな、と実感した展覧会でした。

 

面白かった。

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夜の六本木のビルからは、東京のお星様が見えました。

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静かな湖畔の森のかげから

 

 

ヒョッコリ。

 

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イギリスの湖畔地方から、ピーターラビットさんがいらっしゃいました!

かわゆいのう。

 

ピーターラビットの作者、ビアトリクス・ポターの生誕150周年を記念して催された今回の展覧会。

Bunkamuraザ・ミュージアム

 

19世紀イギリスで生まれ育ったビアトリクスが、彼女が愛した自然と動物を、子供たちのために手のひらサイズの物語に仕立て上げたのが、ピーターラビットシリーズ。

 

そう、手のひらサイズ。

だから全体的に絵が小さめです。

米粒アートの方なんかもほんとスゴイなって思うんですが、

小さい絵って、

小さい絵って…、

 

ムツカシーですよねー?

そう思ってるの、私だけですかーーー? 

 

「自分、不器用なんで…」て言って許されるのは映画の中の高倉健さんだけだと思ってるので、全く不甲斐ない事だと思っておるのですが、このビアトリクスさんは小さくても正確なバランスで、いとも簡単にスススッとした筆さばきで小さな愛しき者達を描いているのです。

彼女、確かまだ学生の頃に、菌だったかキノコだったかの研究に夢中だったみたいで、その頃に顕微鏡を覗きながら小さい対象物の絵もたくさん描かれたようで、やっぱりこの頃にたくさん訓練積まれてたんですね。

私は訓練が足りてない。

痛感いたしました。(うっかり不器用で済ませようとしていた)

 

そんな彼女の描く絵なので、ただの「かわいいうさちゃん」などではないのです。

博物画のような、確かな描写力というバックボーン。

 

また、展示されてる部屋も木を基調にしていて木の香りも気持ちよく、イギリスの緑に囲まれた、掃除が行き届いた品のあるお家に招待されて絵を観せてもらってる感覚で、とてもリラックスしてしまいました。

Bunkamuraザ・ミュージアムでは以前、レオ・レオニ展で本当にリラックスしきって、寝てしまった事がある。スイミーの特大の水の中の映像とかあって、気持ち良すぎました)

 

「俺たちの国芳・わたしの国貞」展でも思ったんだけど、Bunkamuraザ・ミュージアムの展示室の壁の色のチョイスが私は好きで、今回のピーターラビット展でも、各部屋に入るたびに素敵な展示空間にウットリしました。

部屋の中央にあるオブジェがどれもまたかわいくて、こんな部屋、うちにもあったらなぁ…。

 

さて、自然を描く、ということは、「かわいい」だけではすまされんのです。

そこもさすが、ビアトリクスさん、きちんと描いてらっしゃる。

カエルが主人公の絵本では、カエルがお友達を招いてバッタの丸焼き、それもテントウムシのソースがけ(!)という料理を出してきます。

グロい!

カエルにとってはご馳走、寓話の中のリアル。

うんでも子供、こういうの好きそう。

 

極め付けはコチラ。

ピーターラビットのキャラクター関係図。

 

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ピーターラビット展のフライヤーより)

 

…お気付きでしょうか?

 

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パイ!

ピーターのおとうさんはパイ!!

マグレガーさんの奥さんにうさぎパイにされてしまった!!!

なんというリアル!!!!!

 

こんな自然界のキビシさムゴさもあっさり描いちゃうビアトリクス(しかも物語のイントロで)。

そしておそらく半分以上が「かわいい」目当てでやってきた来館者に、この関係図を「かわいい」の真っ只中に投入してくる学芸員さん。

ただの「かわいい」じゃ済まさんぞ!!という気骨が伝わってきます。

 

実際ビアトリクス自身も気骨のあった女性で、女性が作家として活躍する事がまだ難しかった時代のイギリスに、自ら売り込んで仕事を勝ち取り、自分の作ったキャラクターを守る為に物語のキャラとしては初となる商標登録をし、彼女が愛する自然のために積極的に自然保護活動をしてきた事は、失ったロマンス、実ったロマンスを含め、励まされ、勇気づけられる人も多い事と思います。

 

ちなみにですね、このピーターラビット展の音声ガイドのナビゲーターは、ディーン・フジオカさん。

フジオカさんは、展示の終わりの映像でも登場されますが、綺麗な英語も披露され、なんというか、とても耳障りのいい声をお持ちですね。

(先日「徹子の部屋」で黒柳さんに無茶ぶりされて即興英語ラップを披露されたディーン・フジオカさんにも感心しきり)

私はいつも美術館に行く時は自分のペースで、自分の感じる事を大事にして鑑賞したいと思っているので、音声ガイドは使った事がないのですが(興味がないわけではない)、今回は初めて使わなかった事をちょいと後悔しました…。

一回目ガイドなしで、二回目ガイド付きの鑑賞もいいですね。

そうか、そういう時に年間パスポートって便利なんだな…。

 

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素敵なお声の持ち主のディーン・フジオカさん。

ピーターラビット展のフライヤーより)

 

さあおしまいには、ミュージアムショップが待ってます!

ピーターラビット好きや、かわいい好きの期待を裏切らない、いや期待以上のもの達が、あのつぶらな瞳でお客さんをお迎えしてます。

いろんなものがゆるむ準備をしてくださいね。

 

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LOUVRE No.9 - 9番目の芸術

学生時代、作文はちっとも苦じゃなかった。

学年生徒数が三十数名ほどしかいなかった高校では、よく作文で満点の一位をとった。

その作文の一つに、「まんがは芸術である」というタイトルのものがある。

「とにかく熱い!」。これが先生の評だった。

 

そんな「熱い!」作文を書いた高校時代の私にとって、「我が意を得たり!」というような風潮がここのところある。

各地の美術館で漫画展が催されるようになった。

京都には、京都国際漫画ミュージアムという、漫画に特化した美術館がある。

世界に目を向ければ、あの世界一の観客動員数を誇るルーヴル美術館が、漫画を芸術と認め、漫画とルーヴルとのコラボレーション企画を進めている。

とのことで、

 

そのプロジェクトの展覧会がこちら。

 

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「LOUVRE No.9 -漫画、9番目の芸術」展。

森アーツセンターギャラリー。

 

ルーヴル美術館があるのはフランス。

そのフランス、そしてヨーロッパのフランス語圏の国々にはBD(バンド・デシネ)という漫画文化があり、そのBDを芸術の国フランスは、「第9の芸術」と位置づけたのだそうだ。(第1、建築。第2、彫刻。第3、絵画。第4、音楽。第5、文学(詩)。第6、演劇。第7、映画。第8、メディア芸術。が、諸説アリらしい)

 

そして、漫画といえば日本でしょ!?と思う日本の漫画ファンも多い事と思う。

そう、日本には日本の漫画文化があり、フランスで大人気の日本漫画だっていっぱいあるのだ。

「LOUVRE No.9」は、お互いに独自の漫画文化を発展させてきたフランス語圏のBD作家と、日本の漫画家に、「ルーヴルをテーマに自由に作品を描いてもらう」というプロジェクトが進められ、それが展覧会化されたものらしい。

 

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こちらはルーヴル美術館を象徴する(ルーヴルを象徴する館所蔵作品は数多あれども)、サモトラケのニケのレプリカと、彼女の周りを舞うBDと日本漫画の原稿。(…頭の中ではサモトラ家の三毛と変換しがちなのはここだけの話) 

 

BDがどういう感じの漫画なのかというと、説明するのは難しく、責任重大な気が勝手にしてるので、あくまで私個人の印象ではあるけれども、若干冷や汗をかきながら説明させていただくと、私の友人の一言を借りるのが一番わかりやすい気がする。 

 

彼はベルギーのBD作家さんで、ある日、日本の漫画雑誌をパラパラ見て、ふと顔を上げて力強くこう言った。

「顔ばっかりだ!」

 

そう、日本の漫画は登場人物の行動や心理を追うものが多いので、必然的に顔のアップも多くなる。

対してBDは、もう少しひいて人間や、登場人物を取り巻く背景を捉えている感がある。

割と穏やかに淡々と話が進行していく作品が多いのも特徴的。

全体的に、ちょっとシックで落ち着いてる大人な感じ。

 

これは別に日本の漫画が子供っぽいと言っているのではなくて、日本の漫画の方がよりドラマチックな演出方法をとっている、というか、エンタメ性が顕著なものが多い、といえると思う。

日本の漫画編集さんが、売れる法則としてそういうものを好んできた、という事も影響してるかも。

 

いずれにしろBDも日本漫画も、子供から大人まで親しまれ、愛されているものである事には変わりはない。

 

そんな大衆に好かれる漫画を芸術として認めたフランスの、御自慢のルーヴル美術館からの要請を受けて、プロジェクトに参加したBD作家達と日本の作家達16名が、おもいおもいのルーヴルを描き、その生原稿や、さらにその前段階にあたる生絵コンテ(日本だとネームと呼ばれているもの)が展示されている「LOUVRE No.9」。

さすがに世界最高峰の美術館からご指名されるだけ、皆様本当にお上手でいらっしゃる。

 

お上手すぎて、観てるうちに「もうやめてくれー!」と叫びたくなる。

他の展覧会も、みんなウマい人達の展覧会なのに、土俵の問題なのか、それとも人数の問題なのか。

展覧会は大体1人、または2、3人をフォーカスしたもの、あるいはもっと大多数の、何十人かのウマい人達のまとまった展覧会が多い気がする。

それだと対少人数で済むか、もしくはうまい具合に分散してくれたりするんだけど、16人という人数は、分散されきれずに16という数字そのままでウマさが襲ってくる。

絵コンテですらなんでそんなにお上手なんですかー!?やめてくださーい!!(悲痛な叫び)、て感じだ。(個人的には松本大洋さんのネームに親近感を覚えましたが)←松本さんの名誉の為に言えば、松本さんは大変絵がお上手です。いや、言うまでもない事なんですが。

 

 

観終わって思ったのは、日本の作家さん方は、やはりどこかBD寄りの作画をされる方が選ばれている印象。

谷口ジローさんも松本大洋さんも、すでにフランスでも人気者でいらっしゃいます。

けれど、私がすきな作家さんである松本大洋さん、五十嵐大介さんとも、たとえあのルーヴルからの依頼であろうと、どこまでも「らしい」作品を描かれていらっしゃるところがまた、大変嬉しかったし、頼もしかった。

 

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松本大洋さんの「ルーヴルの猫」

 

それはおそらく、まだ私が作品を未読の作家さん方もそうなんだろうなと思いました。

 

参加された作家の方々はこちら。

 

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松本大洋さんと谷口ジローさん。

谷口ジローさん(今だと【孤独のグルメ】が有名ですね)の作品はきちんと拝読した事はないのですが、凄い方だというのは伝わってくるので、お二人のパネルが並ぶと圧巻。

松本大洋さんも【ピンポン】、【Sunny】など、名作多数。

 

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五十嵐大介さんと坂本眞一さん。

五十嵐さんは、【リトル・フォレスト】が映画化されましたね。現在はアフタヌーンで【ディザインズ】を連載中ですが、こちらも大変素晴らしいです。

繊細で美しい絵の坂本眞一さん、代表作は【イノサン】。

 

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寺田克也さんと、ヤマザキマリさん。

センスがよくてポップな絵柄の寺田さん、代表作は【西遊奇伝 大猿王】。

美術通としても有名なヤマザキさんは、もちろん【テルマエ・ロマエ】の作者さん。

そしてこちら。

 

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ズバ抜けて大迫力。

ジョジョの奇妙な冒険】の荒木飛呂彦さん。

 

BDの作家さんの方々。

 

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クリスティアン・デュリユーさん

 

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エンキ・ビラルさん

 

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ダヴィッド・プリュドムさん

 

特に私は、ダヴィッド・プリュドムさんの、確かな技術の重厚感もありながらも、軽やかな線でユーモアを感じさせる、どこかとぼけたところがある作品が好きでした。

 

BDも日本漫画も、私の知人の作家さん達の参加はなかったけれど、BDにも日本漫画にも、他にもたくさん面白くていいものがある。

BDも日本漫画も、もっとたくさんいろんな人に読まれたらいい。

アメコミだって、アートだと思う。

今の私は高校時代の熱さからは少しさがったところにいるけれど、漫画をアートとしてとらえる事で、いろんな人達が漫画に接する機会が増えるならば、こんな嬉しい事はない、と、今の私は今の私なりに、静かに熱く、かくの如く思った次第であります。